教えて!薬膳ってなあに?
薬膳とは、漢方の原料となるものを生薬と呼んでいますが、この生薬とその時々の旬の食材を組み合わせて作る健康に良い料理のことを、薬膳と呼んでいます。
季節に合った食べ物が旬の食材であり、また体調に合わせた食材を選んで食べることには薬のように大きな効果が期待できるとされています。
正しく食事を摂取することによって、体を健康に保つことにつながるでしょう。反対によくない食事の摂取を続けることによって、病気や体調不良などを引き寄せることにもなります。
この考え方が薬膳の基本となりますが、この基本が誕生したのは、今から3000年も昔の中国でのことです。現在ではこの薬膳の考え方は日本をはじめとし、様々な国や地域で支持されるようになり、現在でも拡大傾向にあります。
薬のような効果が期待できる膳、つまりは料理ということであるため、薬膳という名前がつきました。
薬膳と聞くと「漢方」と思う人が多いかもしれませんが、この二つは混同されがちですが、実はまったく異なるものです。漢方薬と薬膳にはどちらも生薬を使うものの、薬として使用するものを漢方薬と呼び、料理として取り入れるもののことを薬膳と呼んでいます。
薬膳に必要な食材は?
薬膳と聞くと難しい食材が必要なのではないかと思う人も多いかもしれませんが、生薬は動植物などの天然由来の医薬品の総称をさしていて、多くは植物の実のことなどを指します。
しかしこれらはなかなか手に入らないような食材ばかりで、自分で作ろうと思うと、ややハードルが高くなります。近年では日ごろから食べている食材だけを使って作る、簡単な薬膳のレシピも数多く紹介されています。
食材の「陰」と「陽」、食べ物には二つの種類があり、一つが体を冷やす陰性の食材、もう一つが体を温める陽性の食材です。
このように見ると、陰性の食材は体に悪いイメージがあるかもしれませんが、陽性の食材ばかり食べていてもよくありません。
その時々の体調や季節に合わせて両方の食材をバランスよく取り入れることが重要です。陰性の食材としては、バナナやスイカ、トマトやキュウリなどの体を冷やすものが該当し、陽性の食材としては、肉やニンジン、ゴボウなどの根菜類、味噌などがあげられます。
陰性の食材を見てみるとわかりますが、夏が旬である野菜や果物が多く該当することがわかります。反対に陽性の食べ物は、冬が旬である根菜類が該当していることがわかるでしょう。
このような基準を元に、食材を選んでみましょう。食材には陰と陽があることがわかりましたが、これはさらに細かく分類することができます。これが五味と五性という考え方になります。
薬膳の基本、五味五性とは?
五味五性とは、食材の五味(5つの味)と五性(5つの性質)です。
五味とは、薬膳では食材の味を五つに分類しています。その五つとは「甘」と「辛」と「苦」、「酸」と「塩辛い」の五つです。
これらの五つの味にはそれぞれ違う作用があるので、味の違い、そしてそれぞれが体にもたらす役割について把握することが重要です。
・「甘」はエネルギーに変化して疲労を回復する作用が期待できます。
・「辛」は発汗を促し、肺や腸などの働きの促進が見込めます。
・「苦」は余分な熱や水分などを逃がす働きがあり、体をリラックスさせることができるでしょう。
・「酸」は水分の排出を防いで消化を助けます。
・「塩辛い」は水分の代謝をスムーズにさせて、便秘を解消することができるでしょう。
一つの例をあげると、疲れがあるときには、甘いものが欲しくなるものです。また苦いチョコレートやコーヒーを食べたり飲んだりするとリラックスすることができますが、これは五味とそれぞれの作用がうまく関係しているということです。
五性とは、五性は食材の効能のことを表していますが、効能も五つに分けることができます。「温」と「熱」、「涼」と「寒」、「平」の5つで、これらをまとめて五性と呼んでいます。
・「温」は体を温めて血流を改善する作用が期待できます。もち米やカボチャ、ニラやショウガなどが該当するでしょう。
・「熱」は体を極端に温めて、内臓を活性化する作用があります。ラム肉やシナモンなどが該当します。
・「涼」は、体を冷やして利尿作用を促すものです。そばや豆腐、ナスやキュウリなどが当てはまります。
・「寒」は体を極端に冷やすもので、コンニャクやトマト、ヒジキなどが該当し、炎症を沈めます。
・「平」は体を温めることもなく、冷やしもしないものです。卵やしいたけ、はちみつなどが該当します。
このような分類や特性があることがわかりますが、季節や体調に合わせて食材を選ぶことが重要です。体が熱くほてっている場合には、苦いものや冷たいものを、反対に体が寒いと感じているときには、甘いものや辛い物などを食べることで、体を温めることができます。
夏バテを抑えるためには体を冷やす夏野菜を積極的にとり、反対に冷え対策としては根菜類を摂取するなど、旬の食べ物は季節による体調の変化と非常に相性が良く、さらには必要となる効果を得ることができます。
これらの考え方を基本とし、季節や体調に合わせた食材を選び、体を平な状態に保つことが大切です。
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